「…A子ェ」
「なんですか?」
「…何で俺たちはここに並んでいる?」
ご主人様の疑問が白い珠を紡ぎ、夜の帳に消え入る。
現在12/1午前零時。
場所は秋葉原ヨドバシ前。当然シャッターは降りている。
「今日はMHP3の発売日じゃないですか」
「いや、だから」
「買う為に並んでいるんじゃないですか」
「だからねぇ…」
「ハイご主人様、生命の粉塵」
「お、さんきゅー…って、いや、だから」
「そっちミラボレアスの尻尾が迫ってます」
「おっと、危ない…、いや、だから」
「モンハンは大人気ですからね、予約だけでミリオン行ってるんじゃないんですかね?」
「いや、そうだろうけど、でも、なぁ…」
「何、不満そうに言ってるんですか」
「実際不満だよ! 大不満だYO! だから何で俺がここでモンハン買うのに並んでなきゃならないンだよ!」
「予約していないのが悪いんです」
「それはお前だよ! 俺はとっくにここで予約済みだよ! 後は仕事帰りに取りに行くだけだよ! 何で予約してなかったんだYO!」
「だって面倒だったしー」
「外出るのが面倒だったからか? Amazonでも通販サイトでも注文出来たろ!?」
「んー」
A子は眠たげな顔で後頭部をかきながら、
「大丈夫だろうと思って油断してました」
「正直なのは良いけどSA!苛つくよソレ!」
ご主人様ブチ切れモード。
「ご近所迷惑ですよー」
「マイペースってレベルじゃねぇぇぇ!」
「ほらご主人様、頭部破壊のチャンス」
「よし拡散弾!やった破壊成…」
ご主人様、PSPを掲げてガッツポーズ。
「――まてぇぃぃっ!俺は今日仕事なんだよ、こんな徹夜で並んでいられないんだよ!」
「別に一緒に並んで下さいとはお願いしていませんが私は」
A子はチカチカ光るPSPの画面を見つめたまま、一瞥もくれずに言う。
それを見たご主人様は呆れた様な顔で溜息を吐いた。
「…あのなぁ。女の子に、こんな夜中の寒空の下に一人で居させる訳にいかないだろうが」
「なんだかんだ言って付き合い良いですよね」
「うるせぇ、ほらミラの奴そっち行ったぞ」
「了解」
秋ヨド他、予約出来ずに徹夜で並んでる方、くれぐれも風邪を引かないようご自愛を。
追記 カツアゲ事件が発生した様なので、おうち帰るまでメラルー(違 に注意。
スポンサーサイト
糸冬
2010/12/01(Wed)
トラックバック(0)
コメント(0)
▲